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Test data privacy in SAP: why is non-production your biggest blind spot?

作成者: Daniel Parker|2026/07/15 8:43:58

When SAP teams think about sensitive data, they think of Production systems. But when you look closely at real SAP landscapes, the bigger risk increasingly sits somewhere else. DEV, QA/SIT, UAT, PRE-PROD, training, sandboxes, project systems – all of these non-production systems contain replicated Production data, usually copied to ‘keep testing realistic.’ Over time, these environments expand, accumulate integrations, and grant access to offshore testers, partners, developers, and contractors. Meanwhile, patching is slower, monitoring is lighter, and controls are rarely as strict as Production.

SAPチームが機密データについて考える際、多くの場合、最初に思い浮かべるのは本番環境です。しかし、実際のSAPシステムランドスケープを詳しく見てみると、より大きなリスクは別の場所に存在しているケースが増えています。

DEV、QA/SIT、UAT、PRE-PROD、トレーニング環境、サンドボックス、プロジェクト環境など、多くの非本番環境には、本番環境から複製されたデータが含まれています。これは「実運用に近い環境でテストを行う」ことを目的として、本番データがコピーされているためです。

しかし、時間の経過とともに、これらの環境は拡大し、他システムとの連携も増加していきます。また、オフショアのテスターやパートナー企業、開発者、委託先など、多くの関係者がアクセスできるようになります。一方で、パッチ適用は本番環境より遅れがちであり、監視体制も限定的で、セキュリティ管理が本番環境と同等レベルで実施されていないケースも少なくありません。

SAP S/4HANAへの移行、SAP Payrollのモダナイゼーション、SAP SuccessFactorsとの連携、さらには継続的なシステム変更プロジェクトを進める企業にとって、このような非本番環境における管理のギャップは、現在、データプライバシーおよびセキュリティに関する最も重要でありながら、十分に議論されていないリスクの一つとなっています。

本記事では、SAPの非本番環境がなぜ近年これまで以上に注目されているのか、規制当局が企業に何を求めているのか、そして開発やプロジェクトのスピードを損なうことなくリスクを低減するためのアプローチについて解説します。

 

SAPシステムが攻撃者の標的となる理由 

近年、攻撃者はSAPのアーキテクチャに対する理解を深めており、SAPシステムを狙った攻撃も増加しています。実際に、米国のNational Vulnerability Database(NVD)では、SAP NetWeaverおよびSAP S/4HANAに関する重大な脆弱性が数多く公開されています。代表的な例として、以下が挙げられます。 

  • CVE-2020-6287 (“RECON”)SAP NetWeaver Application Serverにおいて、認証を必要とせずリモートから任意のコードを実行できる脆弱性 
  • CVE-2022-22536SAP NetWeaverおよびSAP S/4HANAに影響を与えるHTTPリクエスト・スマグリング(Request Smuggling)の脆弱性 
  • CVE-2019-0194 (10KBLAZE-related)特定のSAP NetWeaver構成において権限昇格を可能にする脆弱性 
  • CVE-2021-27610SAP NetWeaver Application Server Javaにおいて、不正アクセスを許可する脆弱性 

これらの事例から、特に次の2点が重要であることが分かります。 

  • SAPアプリケーションは継続的に調査・分析され、攻撃対象となっていること 
  • パッチ適用にばらつきがある環境、特に非本番環境では、実際のセキュリティリスクが高まること 

これらの脆弱性は、SAPシステム全体を通じて、適時なパッチ適用と一貫したセキュリティ対策が不可欠であることを示しています。本番環境では、新たな脆弱性に対して迅速にパッチが適用されるケースが一般的です。一方で、リスクが低いと見なされがちな非本番環境では、パッチ適用が遅れたり、一貫して実施されなかったりするケースが少なくありません。

しかし、非本番環境にも本番環境と同じ機密データが保持されていることが多く、このようなパッチ適用の差は、本来回避可能でありながら見過ごされやすいデータセキュリティリスクを生み出しています。

なぜテスト環境で実際の個人データを
使用することは高リスクなのか
_世界各国の規制当局は、次のような見解を示しています。

世界各国で、規制当局は、組織が適法な根拠、厳格な管理体制、およびデータ最小化を実証できる場合を除き、テスト環境で実際の個人データを使用すべきではないと、ますます強く警告しています。

オーストラリア

オーストラリア・プライバシー原則 Australian Privacy Principles (APPs):

  • APP 6:個人データの目的外利用を制限しています(HR、財務、給与データをテスト目的で使用することは認められていません)。
  • APP 11:すべての環境において個人情報を適切に保護することを組織に求めています。

欧州連合(General Data Protection Regulation:GDPR)

GDPR:

  • 目的限定 
  • データ最小化
  • プライバシー・バイ・デザインおよびプライバシー・バイ・デフォルト
  • 複製されたデータセットに対する本番環境と同等の保護

日本 

日本の個人データを使用するテスト環境では、APPI(個人情報保護法)の適用対象とならないよう、元に戻すことのできない匿名化を実施する必要があります。 

ニュージーランド 

ニュージーランドのプライバシーコミッショナー(Office of the Privacy Commissioner)が公表したケースノート「Testing systems with real data leads to breach」では、非本番環境で識別可能な個人データを使用しないよう組織に勧告しています。

サウジアラビア 

 サウジアラビアのPDPL (Personal Data Protection Law)では、匿名化について明確に規定されています。規則では、匿名化されたデータは元に戻すことができず、再識別が不可能でなければならないとされています。この要件を満たしたデータは、PDPLにおいて個人データとは見なされず、適用対象外となります。 

テスト環境においては、技術的に再識別が可能な状態であれば、部分的なデータマスキングやデータスクランブルだけでは十分ではないことを意味します。

シンガポール

シンガポールのPersonal Data Protection Commission (PDPC)は、可能な限りテストデータを匿名化または仮名化し、アクセスを制限することを推奨しています。

南アフリカ 

POPIA (Protection of Personal Information Act)では、個人データが本来の利用目的に不要となった場合、組織は個人を識別できないよう適切な技術的対策を講じることが求められています。POPIAは、他のプライバシー関連法規のように匿名化されたデータを明示的に適用対象外としてはいませんが、データ最小化およびセキュリティ保護要件を満たすため、テスト環境における匿名化および非識別化を強く推奨しています。

テストシステム内のデータが合理的に再識別可能である場合、POPIAの義務は引き続き適用されます。 

世界各国・地域を通じて、規制当局が伝えているメッセージは共通しています。

個人データを非本番環境へコピーする場合、本番環境と同等の水準で保護しなければなりません。

SAPユーザー企業にとって、この要件を満たすことは、SAPランドスケープの規模や複雑なシステム連携を考えると容易ではありません。そのため、現在、多くのSAPランドスケープはこの要件を満たしていないのが実情です。

SAPのDPPガイダンスでは何が示されているのでしょうか。

SAP’s Data Protection and Privacy (DPP)ガイダンスは、各国・地域の規制当局が求める考え方と一致しています。SAPは、非本番環境における個人データを最小限に抑えること、データマスキングまたは仮名化を適用すること、最小権限の原則に基づくアクセス管理を徹底すること、そしてSAPプログラム全体でプライバシー・バイ・デフォルトを採用することを推奨しています。

つまり、SAPと規制当局はいずれも、非本番環境のデータは適切に管理され、データマスキングが施され、適切なガバナンスのもとで運用されなければならないという点で一致しています。

課題は、それらを大規模かつ複雑に連携したSAPランドスケープ全体で実現することにあります.

非本番環境におけるデータリスクを低減するためには

規制当局が求める要件を満たし、非本番環境におけるリスクを低減するためには、企業は次の4つの基盤となる機能を備える必要があります。

  • 非本番環境へ取り込まれる個人データの量を最小限に抑えるための、適切に管理されたデータサブセット化

  • 個人データ、機密データ、財務データ、および給与データに対する、一貫したデータマスキングまたは匿名化

  • すべての環境へ保護されたデータを提供するための、適切に管理されたデータリフレッシュプロセス

  • SAPおよび関連システム全体におけるコンプライアンスを証明できる、監査対応のエビデンス

これらの機能は、SAPにおける最新のテストデータプライバシー対策の基盤となります. 

なぜSAP環境では、これほど難しいのでしょうか。

こうした課題は、大規模なSAPトランスフォーメーションやモダナイゼーションプロジェクトにおいて特に顕在化します。S/4HANAへの移行、SAP PayrollやSAP Employee Central Payrollの導入、SAP SuccessFactorsとの連携では、環境の頻繁なリフレッシュ、複数回にわたるテストサイクル、さらに社内チーム、ベンダー、オフショアパートナーの参画が必要となります。その結果、複雑性が増し、テストデータの影響範囲が広がるとともに、より多くの担当者やシステムが個人データにアクセスすることになります。

プロジェクトが進行するにつれて、こうした課題は、監査部門やデータプライバシー担当者からの終盤での指摘、直前になって必要となるデータマスキングへの対応による遅延、データリフレッシュプロセスに関する不確実性、関連システム間におけるデータの不整合といった形で表面化することが少なくありません。また、データ保護影響評価(DPIA:Data Protection Impact Assessment)に必要なエビデンスを提示できないケースや、データリフレッシュを手作業で実施しているために、リフレッシュサイクルが数日から数週間に及ぶケースも見受けられます。

こうした問題は、多くの場合、プロジェクト終盤のデリバリー段階になって初めて顕在化します。まさにスケジュールに余裕がなくなり、リスク許容度が最も低くなるタイミングです。

 

より詳細な成熟度診断をご希望の場合は、ワークショップの一環として、包括的な診断フレームワークをご提供します。

多くの企業はレベル1からレベル2の段階にあります。レベル3およびレベル4への移行は、体系的なアプローチと適切なツールを導入することで実現可能です。

明確な方向性を6週間で:
SAPテストデータプライバシーの診断とロードマップ

SAPランドスケープ全体でデータマスキングや適切に管理されたデータリフレッシュプロセスを実装するには時間を要しますが、短期間かつ体系的なアプローチによって、現状を明確に把握し、今後の方向性を定めることが可能です。

第1週:テストデータの影響範囲を把握

個人データを保持するすべてのSAPシステムおよび関連システムを特定します。システム連携、データリフレッシュの実施状況、アクセス権限、現在のデータマスキングの適用状況を整理します。

第2週:実データに求められる要件を定義

採用から退職(Hire-to-Retire)、調達から支払(Procure-to-Pay)、受注から入金(Order-to-Cash)、給与処理(Payroll)などの主要なテストプロセスにおいて、現実性を維持する必要があるデータ項目を明確にします。

第3週:一貫したデータマスキングルールを策定

個人情報、給与関連項目、財務データ、取引先および顧客識別子、銀行口座情報を対象とした、ポリシーに基づくデータマスキングルールを定義します。

第4週:関連システムへ適用範囲を拡大

SAP BW/4HANA、分析基盤、レポーティング基盤、ミドルウェア、データレイクに対して、一貫した保護対策を適用します。

第5週:アクセス管理と可視性を強化

ベンダー、オフショアパートナー、および特権アクセスを見直します。また、ログが取得・保管され、レビュー可能な状態であることを確認します。

第6週:安全で自動化されたデータリフレッシュプロセスを設計

「データサブセット化 → データマスキング → 検証 → ログ記録」の一連のプロセスを、法規制の要件およびプロジェクトスケジュールに沿って、繰り返し実行可能な形で設計します。

本格的な導入は通常、この診断の実施後に開始されます。導入内容は、お客様のSAPランドスケープ、データフロー、システム連携、および法規制要件に応じて最適化されます。EPI-USE Labsでは、体系的な支援プロセスを通じて、詳細な導入ロードマップをご提供します。

EPI-USE LabsのData Sync Manager(DSM)は、SAPにおけるテストデータプライバシー対策をどのように支援しますか。

これらの要件は、Data Sync Manager(DSM)が提供する機能と直接対応しています。DSMは、S/4HANAプロジェクト、SAP Payrollトランスフォーメーション、およびSAP SuccessFactors連携において幅広く活用されている、SAP向けテストデータ管理プラットフォームです。

DSMは、次のことを可能にします。

  • 非本番環境に必要なデータのみを保持するためのデータサブセット化
  • SAPおよび関連システム全体にわたる、機密データおよび個人データの一貫したデータマスキング
  • データリフレッシュプロセスの自動化により、数週間かかっていた作業を数時間へ短縮
  • セキュリティやコンプライアンスのリスクを高めることなく、システム導入や開発を安全に加速
  • 規制当局や社内関係者への説明に必要な、監査対応のエビデンスの作成

DSMは、データ最小化、仮名化、目的限定、プライバシー・バイ・デザイン、および複製されたデータセットに対する同等の保護といった主要な規制要件に対応しています。これにより、SAPユーザー企業は、非本番環境におけるリスクを低減するとともに、プロジェクトの推進スピードを向上させることができます.

次のステップ:SAPテストデータに潜むリスクを可視化

非本番環境におけるリスクの所在を把握し、SAPプロジェクトの進行を妨げることなくリスクを低減したいとお考えでしたら、EPI-USE Labsがお手伝いします。

短時間のワークショップを通じて、お客様のSAPランドスケープを把握し、安全性、適切なガバナンス、本番環境レベルの品質を備えたテスト環境を構築するための、お客様に最適な計画をご提案します。

適切に管理され、データマスキングが施され、繰り返し利用可能なSAPテストデータセットの構築についてご興味がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

よくあるご質問(FAQ)

SAPの非本番データがデータプライバシー上のリスクとなるのはなぜですか。

非本番環境には、本番環境のデータが複製されていることが多い一方で、本番環境と同等の保護対策が講じられていないケースがあります。そのため、規制対応やセキュリティの観点から、大きな盲点となります。

SAPにおけるテストデータマスキングとは何ですか。

データマスキングとは、個人データや機密データを、テストに利用できる現実的なデータとして維持しながら、個人を識別できない状態に変換することです。 

SAPのデータマスキングやデータサブセット化を支援するツールにはどのようなものがありますか。

EPI-USE LabsのData Sync Manager(DSM)のようなSAP向けテストデータ管理プラットフォームでは、データマスキング、データサブセット化、および適切に管理されたデータリフレッシュプロセスを自動化できます。

Data Sync Manager(DSM)は、SAPにおけるテストデータプライバシー対策をどのように支援しますか。

DSMは、適切に管理されたデータサブセット化、一貫したデータマスキング、関連システムとの整合性の確保、自動化されたデータリフレッシュプロセス、および監査対応のエビデンスを提供します。これにより、各種法規制、監査要件、およびSAP Data Protection and Privacy(DPP)の要件への対応を直接支援します。